#19 ばっかり N4〜1級 格助詞 に へ の区別
Part19
課題
ばっかり N4〜1級
テーマ
最近やたらと俺ばっかり攻撃されてる気がします。
今回は副助詞「ばっかり」を説明します。
この「ばっかり」口語です。正しくは「〜ばかり」です。
侮ってはいけません。この言葉は使い方7種つある。
たばかりだN4 ①直後
・去年結婚したばかりだ
ばかりだN2 ②(マイナスの)継続
・成績は悪くなるばかりだ
ばかりだN4 ③(マイナスの)過多・不満
・彼はお菓子ばかり食べる 食べてばかりいる
ばかりかN2 ④累加
・漢字ばかりか、ひらがなさえ書けない。 電気代ばかりか、水道代も値上がりする。
ばかりにN2 ⑤(マイナスの)原因
・勉強しなかったばかりに、不合格だった
ばかりでなくN3 ⑥だけじゃなく
・仕事ばかりでなくプライベートも充実させたい
とばかり N1 ⑦~のような様子で
・木が倒れんばかりの強風が吹いている
今回の使い方は、3番目の不満です。「俺だけに」と言い換え可能です。
先生は、俺ばかり叱る。あの子ばかりモテる。この会社は、この作業ばかり行わせる。など。
気持ちが弱っている時や不満がある時に日常茶飯事に使われます。①と⑦を除いてマイナス要素が強いですね
他の機能に関しても、よく使われますから余裕があれば覚えても良いかもしれませんね。
元々は
動詞「はか(計)る」の連用形が名詞化した「はかり」に転じたものが語源です。
日本の古い書物でもこの様に使われています。現代語では平仮名が多いですが古い文献だと漢字ですね。
例
「あとは清書する許りだ」「大きい許りが能じゃない」
「まだ半分許り残っている」「一〇歳許りの男の子」
例を見て分かるとおり、当時は量や範囲を表す時に使用されていた様ですね。
この漫画では気弱な青年が、「俺ばかり」(不満)と嘆いています。
この使い方はかっこわるいのでお勧めしません。
男なら女性にビシッと言ってやりましょう!!
課題
格助詞 に へ の区別
テーマ
ずっと真夜中でいいのに。『秒針を噛む』
問題
今日本の高校生で流行っている
この歌で何回「に」と「へ」が出るでしょうか。
回答は後半で。
「に」と「へ」
part5とpart6で触れてますが、
今回で総まとめです。
では、簡単に復習。
「に」は点
「へ」は移動の方向
では、どの様に日本人が区別しているのか。
先に回答を言うと日本人は意識して使ってません。
平安時代中期頃からは、「へ」が、本来、動作の帰着・到着点を示す格助詞「に」の用法に侵入し、
「帰着・到着点」を示すようになり、現代の「に」と「へ」の使い分けのあいまいさにつながっていると、
『日本語文法大辞典』では解説しています。
「明日、東京へ行く」と「明日、東京に行く」とでは、
意味を伝えるうえでは、どちらを使っても支障はありません。
場面によっては、ニュアンスを考慮して、「に」か「へ」かを選ぶことも必要です。
正直、どちらでもOKの時があります。
あまり細かいことは気にしなくても良いかと思います。
では、ニュアンスの違いは何でしょうか。
例
お風呂[○に/✖︎へ]入っている時
壁[○に/✖︎へ]子供の描いてくれた絵を貼りました
バス[○に/✖︎へ]乗って駅まで行きました。
「に」は密着、物と場所がくっついているところは「に」です。
「へ」を使った前者は「方向としての東京」を示すのに対し、
「に」を使った後者は、「ほかのどこでもない、東京」という到着点を強調したニュアンスです。
ですので方向としてどちらを使っても大きな間違えではありません。話し手の表現の問題です。
今回の重要点ですが他にも違いがあります。
格助詞「へ」が心理的距離が遠い場合、目上などの人間関係の場合、丁寧語として「へ」」用いる傾向があります
例)ご遺族の方(へ・に)かける言葉が見つからない。社員から部長(へ・に)提出する書類が山のようにある。生徒が先生(へ・に)花束を差し出した。
例文の様に、目上や形式的な状況の場合、丁寧語を使用します。多くの日本人は「へ」を選ぶと言うデーターも出ています。
「に」が決して間違いではありませんが、より日本語らしい表現の場合は「へ」になります。
手紙を書く際も宛先の書き方は「田中様へ」となります。
丁寧語の場合は、「へ」と覚えてしまっても良いかと思います。
では答え合わせです。ずっと真夜中でいいのにの歌。『秒針を噛む』で「に」と「へ」は
正解)
に
1夕食中に
2灰に潜り
3君に守られた
4意味がないほどに
5どこに
6肺に
7誰かのせいに
「に」七回
「へ」は無し。
「へ」がない理由は簡単です。この歌詞は女性の失恋の葛藤を思い描いてたものなので頭の中で思っていることなのです。
場所など移動ありません。わかりました。